なかないでいいんだよ
きみと交わしたあの日の話をいつまでも
「いい?メロ、両親の帰りは遅いけど静かにしててね?こんなことバレたらどうなっちゃうか分かんないから」

「それはさっきも聞いたよ」

スプーンいっぱいにカレーとお米をすくって頬張るメロは、
おいしいおいしいって頬を緩ませた。

コンビニさん、
聞いたらきっと嬉しいだろうな。

カフェから貰った資料に目を通す。
メロの情報が記載されている。

メロ。二十二歳。
さすがに本名は記載されていない。
ホストクラブの源氏名、みたいなものなんだろうか。

あの″ペットカフェ″の外観は
どこからどう見ても、よくある猫カフェとかみたいになんの違和感もなかった。

外壁に本当にホストクラブみたいに
男の子達の写真が掲げられているわけじゃないし
動物達の愛らしい写真やイラストでお出迎えしてくれる。

けれど訪れる人達は
みんな理解している。

″ペットカフェ″の実態を。
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