いつか晴れたら、明日を描く。
夕立の日の雨宿り
夕立の日の雨宿り
*
*
教室中に響きわたったチャイムの音。
それを合図に号令がかかり、みんなが一斉に礼をする。それからすぐに、教室は喧騒に包まれた。
これで今日も後はHRでおしまいだ。
私は放課後の〝楽しみ〟に胸を馳せ、そそくさと机の中や上にあるものをカバンにしまい込んだ。
教室では息苦しい時間を過ごしているけれど、放課後だけは〝私〟でいられる。それが、他に替えにならないほど嬉しい。
今日は短縮授業で、いつもは6限まであるところ、今日は5限までで終了となっていた。
だから、今日はいつもよりも長い時間放課後を過ごすことができる。その事もあって、いつも以上に気分が上がっていた。
「ねえ、鈴音!」
カバンのチャックを閉めていたとき、不意に名前を呼ばれ、ぱっと顔をあげる。そこには、紬(つむぎ)の姿があった。
「紬、どうかした?」
「鈴音って本当凄いよねっ!!」
「へっ?」
目を輝かせながら紬にいきなり褒められ、意味も分からずただ瞬きを繰り返した。……おまけに変な声まで出してしまって。
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教室中に響きわたったチャイムの音。
それを合図に号令がかかり、みんなが一斉に礼をする。それからすぐに、教室は喧騒に包まれた。
これで今日も後はHRでおしまいだ。
私は放課後の〝楽しみ〟に胸を馳せ、そそくさと机の中や上にあるものをカバンにしまい込んだ。
教室では息苦しい時間を過ごしているけれど、放課後だけは〝私〟でいられる。それが、他に替えにならないほど嬉しい。
今日は短縮授業で、いつもは6限まであるところ、今日は5限までで終了となっていた。
だから、今日はいつもよりも長い時間放課後を過ごすことができる。その事もあって、いつも以上に気分が上がっていた。
「ねえ、鈴音!」
カバンのチャックを閉めていたとき、不意に名前を呼ばれ、ぱっと顔をあげる。そこには、紬(つむぎ)の姿があった。
「紬、どうかした?」
「鈴音って本当凄いよねっ!!」
「へっ?」
目を輝かせながら紬にいきなり褒められ、意味も分からずただ瞬きを繰り返した。……おまけに変な声まで出してしまって。
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