いつか晴れたら、明日を描く。
「ホームルーム始めるぞー」
先生の声を合図に号令がかかり、一斉に礼をする。
10分ほどしてHRが終わり、みんなが帰る体制になったとき、「望月」と先生に名前を呼ばれた。
くるり、と振り返り、先生の方を見る。
「すまんが、これを職員室に運んでくれないか」
「分かりました」
先生が指さしたのは、今朝集めた課題ノートだった。私のクラスは40人いるため、1回で運ぶのは難しいと思うが、多分3回ほどで運べるだろう。
私は学級委員を務めているため、こうやって先生に何かを頼まれることが多い。学級委員は自分で立候補したから、なったことに後悔といったものなどはない。手伝いとかも自分で好んでしているわけだし。
私は課題ノートを3分の1ほど持ち上げた。それでも意外に重さはあって、驚いてしまった。
早くこれらを運んでしまおう。そして、早くあそこに行きたい。
その願望を胸に、私は姿勢をぴんと伸ばし、さらにノートを運んでいった。