🌊 海の未来 🌊 ~それは魚の未来、そして私たちの未来~ 【新編集版】
「ありがとう。皆さんのおかげで良い提案ができたよ」
第3回の会議の翌日、海利社長が3人に満面の笑みを向けた。
「持続可能な幸福循環というキーワードが参加者全員に共有できたと思う」
その笑みが心からのものと思えたので嬉しくなって思わず頬が緩んだが、それは嘉門部長も海野も同じようで、とても嬉しそうだった。
「そうそう、私たちと同じ想いの流通業者がいてね。え~と、」
背広の内ポケットから名刺入れを出した。
「そう、この人」
名刺を机の上に置いた。
さかなや恵比寿さんのオーナー、差波木漁太の名刺だった。
「彼と話してみるといい」
そう言って、その名刺をこちらの前に動かした。
「ありがとうございます。早速伺ってみます」
名刺を仕舞って頭を下げたところで秘書が入ってきてメモを渡した。
次の予定を知らせに来たようだった。
3人は慌てて立ち上がり、改めて礼を述べて退室した。
ホッとしてエレベーターのボタンを押した時、嘉門部長から誘いの言葉をかけられた。
「今夜、ちょっと付き合わないか。慰労会というかなんというか……」
どう返事していいかわからなかったので海野に視線を向けると、「無理にとは言わないけど」という前言を翻すような弱い声が耳に届いた。
「いえ、とんでもありません。嬉しいです。な?」
海野が慌てたように同意を求めてきたので、すぐさま頷いて「はい。喜んでご一緒させていただきます」と返すと、「そうか。じゃあ、ちょっとだけな」と照れくさそうに部長が笑った。
第3回の会議の翌日、海利社長が3人に満面の笑みを向けた。
「持続可能な幸福循環というキーワードが参加者全員に共有できたと思う」
その笑みが心からのものと思えたので嬉しくなって思わず頬が緩んだが、それは嘉門部長も海野も同じようで、とても嬉しそうだった。
「そうそう、私たちと同じ想いの流通業者がいてね。え~と、」
背広の内ポケットから名刺入れを出した。
「そう、この人」
名刺を机の上に置いた。
さかなや恵比寿さんのオーナー、差波木漁太の名刺だった。
「彼と話してみるといい」
そう言って、その名刺をこちらの前に動かした。
「ありがとうございます。早速伺ってみます」
名刺を仕舞って頭を下げたところで秘書が入ってきてメモを渡した。
次の予定を知らせに来たようだった。
3人は慌てて立ち上がり、改めて礼を述べて退室した。
ホッとしてエレベーターのボタンを押した時、嘉門部長から誘いの言葉をかけられた。
「今夜、ちょっと付き合わないか。慰労会というかなんというか……」
どう返事していいかわからなかったので海野に視線を向けると、「無理にとは言わないけど」という前言を翻すような弱い声が耳に届いた。
「いえ、とんでもありません。嬉しいです。な?」
海野が慌てたように同意を求めてきたので、すぐさま頷いて「はい。喜んでご一緒させていただきます」と返すと、「そうか。じゃあ、ちょっとだけな」と照れくさそうに部長が笑った。