🌊 海の未来 🌊 ~新編集版~
「遅かったわね」

 玄関を上がると、母が居間の方に目をやった。

「お父さんが心配していたわよ」

 小さく頷いたが、居間には寄らず、自室がある2階への階段を上り、部屋に入るなりベッドに腰かけてバタンと仰向けに寝そべった。

 心臓がまだドキドキしていた。
 それに、唇に彼の感触が残っていた。
 
 ハ~、と大きく息を吐いて寝返りを打ち、目を瞑って、自分の気持ちを確かめた。
 しかし、何も浮かんでこなかった。
 心の中に答えはなかった。
 
 明日からどうしよう……、

 そんなことしか思い浮かばなかった。 


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