🌊 海の未来 🌊 ~新編集版~
 仲居さんに案内されてついていくと、ライトアップされた日本庭園がよく見えるバーラウンジが見えてきた。
 照明が落とされた素敵な空間に思わず見とれてしまったが、カウンターで寄り添うカップルが振り向いたので、目を合わせないように視線を落とした。すると、差波木の声が耳に届いた。
 
「ソファ席にしましょう」

 促されるまま、向かい合わせで座った。
 
「私はブランデーにしますが、幸夢さんはどうされますか?」

「そうですね~、では、わたしも同じものをいただきます」

「私はストレートでいただきますが、どうされますか?」

「お任せします」

 しばらくして、大きめのバカラのブランデーグラスとチェイサーが運ばれてきて、テーブルに置かれた。
 手に持つと、琥珀色の液体から芳醇な香りが漂ってきた。
 
「今夜はありがとうございました」

 すると差波木がブランデーグラスを掲げたので、「とてもおいしかったです。こんな素敵なお店に連れて来ていただき、本当にありがとうございました」と頭を下げてからグラスを掲げた。

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