私は代わりなんて嫌ですから!

最悪な誕生日





 これは私がみんなと知り合う少し前の話。



《翔馬、ちょっと出てこられる?》



 21時、心からそんなメッセージが送られてきた。

 なにか、緊急時代か。
 それかいつもみたいにどうでもいい他愛のない話か。


 21時っていうあんまり外にも出たくない時間なのにもかかわらず、俺は急いで心に会いに行く準備をする。

 理由は簡単、高校1年生の時に出会った時から俺は心が好きだから。



「翔馬、どこかへ行くのか?話しておきたいことがあったんだが。」

「あー。ごめん、1時間もしないうちに帰ってくるからそん時でいい?」

「ああ、わかった。ゆっくりで大丈夫だ。」

「ありがと。じゃあ行ってくるねー。」



 一緒に住んでいる双子の弟、翔悟。

 翔悟が改まって俺に何かを話すなんて珍しい。



「あ、いた〜。」



 俺たちがいつも会う場所はなぜかうちの近くの23時までやっている喫茶店。

 一応アイドルとマネージャーだから、どこで会っても週刊誌に撮られることはない。

 まず、まだ未成年だし。
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