私は代わりなんて嫌ですから!




「どうしたの?こんな時間に。」

「んー。なんか言いずらいかも。」



 いつもハキハキしている心がなんだかパッとしない。



「なんですかーそれ。」

「実は、翔悟と付き合うことになった。」

「え?……冗談?」



 心が翔悟と付き合った?

 よりにもよって俺の弟と?

 だから、翔悟が珍しく大切な話があるって言ってたわけだ。



「……冗談に見える?」

「んー、見えないかな。」



 今俺、笑えてる?

 目に溜まった涙みたいなものは心にバレてないか?



「それでね、翔悟と話し合って4月いっぱいでマネージャー辞めることにしたの。」

「そっか。後任は?事務所の人?」

「まずは理事長に話さないとそれはわからないかな。」



 マネージャーの後任なんて正直どうでもいい。

 それよりも、心は俺よりも翔悟。
 QUADよりも翔悟をとったのかって考えるとどうも耐えられそうにない。
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