私は代わりなんて嫌ですから!




 それからは、涙も出なかった。

 弟にあんな顔をさせてしまう自分にも嫌気がさしていたし。

 こんな醜い気持ちになっている自分にも呆れていた。



「あー、部屋決めないとなー。」



 それからたったの2週間後。

 2つ年下の女の子に言われた言葉で俺は救われた。

“いいんじゃないですか?好きじゃなくなるまで好きでいても。誰にも迷惑かけるわけでもないし。”


 この好きは消さなきゃいけないって思っていた俺にとって、好きでいていいってその言葉がふわっと荷を軽くしてくれた。



 2つも下の女の子に慰められる俺って、すごい情けないけど。

 この情けないは、全然嫌な気持ちにはならなかった。



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