私は代わりなんて嫌ですから!




「じゃあ、こちらの女の子は?」

「日向ちゃんです。俺が気になってる子。」

「桃園日向です……は?」



 自分の名前をお姉さんに伝えた後に追いついてきた情報が処理しきれなくって思わず“は?”なんて言ってしまった私。

 気になってるって何?どういうこと?



 頭をポカンとさせながら招かれるまま、私はリビングのソファに腰をかけていた。



「うっそー!あの翔馬が私に気になってる女の子を紹介してくれるなんてー!」

「あの翔馬ってなんですかー?」

「そういえば、私の自己紹介してなかったね。翔馬と翔悟の姉の青葉 悠(あおば ゆう)です!2人とは9個も離れてるからほんとに可愛くてしょうがないのよね〜。」



 自己紹介どころじゃなくて、全然。

 翔馬さんの言葉が頭から離れなくって大パニック中。

 よく考えると、翔馬さんに出会ってから私の頭の中はいつも翔馬さんで忙しい。
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