私は代わりなんて嫌ですから!
「それじゃあ今からHRを始める。マネージャー学科クラス担任の桃園 海だ。マネージャーの仕事はやりながら覚えてもらうからとりあえず、それぞれの担当発表してくな〜。」
海は、私の9つ上のお兄ちゃん。
いっつもお兄ちゃんって呼んでるのにここでは先生って呼ばなきゃいけないのがなんだか変な感じ。
3年前からこの学校で働いていて、いつかはお母さんが理事をしている学園かお父さんが社長をしているプロダクションのどちらかを継ぐらしい。
「……で、最後に桃園だな。桃園には、QUADの担当だ。」
お兄ちゃんがそう言った途端、周りが一気にざわついてしまった。
この感覚…、あの時とおなじような気がする…。
「今、マネージャーをしている緑川 心が諸事情により今月いっぱいで退任することになった。」
退任…?諸事情…?なんで私…?
「気づいてる奴も多いと思うが、桃園は俺の妹だからな。俺がサポートしやすい環境にいる妹が適任だと判断した。」