恋色レシピ


「お邪魔します」


やっぱり時間が過ぎるのはあっという間だなぁ。


「あ、後で飲み物持って行きますね」


誠さんは、お兄ちゃんの友達で。


週に1、2回くらいウチに来てる。


いつも先に家にいるあたしは、お兄ちゃん達に飲み物を持っていくのが決まりになってて。


この瞬間だけ、あたしは誠くんに逢える。


ほんの20秒ほど。


その後はお兄ちゃんの部屋にいる理由もないし、話す事もほとんどない。


これだけの為に、あたしは急いで家に帰る。


いつ家に遊びに来るのかもわからないのに。



今日はたまたま、お兄ちゃんから聞いてて。

朝から楽しみでソワソワしてた。



まさか、こんな嬉しい偶然があるなんて思ってなかったけど…






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