恋色レシピ
あたしはまだ中学3年生で
高校3年生の誠くんにとって、
あたしは全くの問題外。
わかりきった事。
――トントン
「お兄ちゃんー?入るよー」
あたしは一応、人数分のジュースを持って。
「おー?サンキュー」
「いいなぁ。優しい妹でー」
「ほんと。俺の妹も咲智みたいだったらなぁ」
そう言うのは、お兄ちゃんの友達の武田さんと吉岡さん。
えへへ。嬉しいかも。
「そうかぁ!?いつもはこんなんじゃない…」
「お兄ちゃん〜!?」
ちょっとお、余計な事は言わないでよ。
「お兄ちゃん以外には違うもん」
本当は、誠くんがいるからなんだけどね……?
「はい、どーぞ」
あたしはジュースを渡していく。
「ありがと」
誠くんはそう言って、いつもあたしに笑ってくれる。
初めて家に来た時から、コドモのあたしにもちゃんと目を合わせてくれて。
とても優しく、柔らかく笑う人……
あたしの心は即、誠くんに捕まってしまった。