恋色レシピ


十分に誠くんの気持ちは伝わったのに


あたしはまだ足りないの…?


でもどうしても気になってしまう


「理恵??」


だって…


「さっき…見たの」


二人が笑い合ってたのを。


思い出すとまた悲しくなる。


そんなあたしを見て、誠くんはもっと強くあたしを抱きしめる。


「!
ま、誠くん!?」


「俺は咲智しかいらない。
咲智が好きなんだ」


そう言って、
誠くんは自分の幼かった恋を話してくれた。


その頃を想像すると


やっぱり、あたしは入れない壁にぶつかって

少し悲しかったけど…


それ以上に


誠くんがあたしに幸せをくれたから。



もう

……怖くないよ。


誠くんの顔を見上げると


今度は


3回目のキスが降ってきた………






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