愛しい魔王様泣かないで!私はここにいます
第1章 魔王様と私-16
その夜。私は魔王様の居間で、いつものように本を読んでいた。気になっていたミステリー。なのに、内容がちっとも頭に入ってこない。別のことを考えているから。
時計を見れば、彼が「おやすみ」を言う時刻はとうに過ぎている。ラグの上から、ソファーに座っている彼をちらりと見た。私にじっと視線を注いでいる。
「寝に行かぬのか。昼間のことで気が昂っているのは分かるが」
「……おそばにおります」
顔を見ずに答えた。彼は座る場所をずらして、私のすぐ後ろに来た。髪に手が触れる。
「俺を……選ぶと?」
「はい」
はっきりと、迷いなく。返事をした。
後ろから抱きしめられ、ラグの上に押し倒された。すぐに、ラグは柔らかな布団に変わった。魔王様のプライベートな空間。呼ばない限り、入ってくる人はいない。とはいえ、寝室より広く明るいここで行為に及ぶのは、心の準備ができていない。
「何て顔をしている。俺はもう、我慢はしない」
その言葉が、嬉しかった。ついていこう、この方に。
言葉にできない意志を伝えようと、腕を撫でると、深い口づけが始まった。
時計を見れば、彼が「おやすみ」を言う時刻はとうに過ぎている。ラグの上から、ソファーに座っている彼をちらりと見た。私にじっと視線を注いでいる。
「寝に行かぬのか。昼間のことで気が昂っているのは分かるが」
「……おそばにおります」
顔を見ずに答えた。彼は座る場所をずらして、私のすぐ後ろに来た。髪に手が触れる。
「俺を……選ぶと?」
「はい」
はっきりと、迷いなく。返事をした。
後ろから抱きしめられ、ラグの上に押し倒された。すぐに、ラグは柔らかな布団に変わった。魔王様のプライベートな空間。呼ばない限り、入ってくる人はいない。とはいえ、寝室より広く明るいここで行為に及ぶのは、心の準備ができていない。
「何て顔をしている。俺はもう、我慢はしない」
その言葉が、嬉しかった。ついていこう、この方に。
言葉にできない意志を伝えようと、腕を撫でると、深い口づけが始まった。