愛しい魔王様泣かないで!私はここにいます

第1章 魔王様と私-19

 それからは、毎晩、二人で過ごした。抱きしめられて眠るだけの夜もあれば、朝まで求め合う夜もある。昼間も、彼は片時も私を離さない。
 あの日の傷は、すっかり塞がった。
「あいつは自分で自分の毒を浄化したのだろう。お前にかかると、どうも皆、らしくないことばかりする。褒めているのだぞ」
 そう言いながら、肩のその部分を舐めてくる魔王様。恥ずかしいというか、嬉しいというか。
「私も、です」
「うん?」
「ここへ来てから、知らなかった自分に出会ってばかり。あなたのせいです」
「かわいいことを言う」
 また、ぺろり。
「あの、そこはもう」
「なぜだ。あいつには舐めさせたのだろう? 俺は駄目なのか」
「魔獣と張り合わないでください……」
 子供みたい。かわいい。
 想いは、日々深まっていく。

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