愛しい魔王様泣かないで!私はここにいます
第1章 魔王様と私-26
全土からたくさんのお祝いの品が届けられ、魔王様からもお祝いをもらった。
「わぁ、素敵!」
双頭の馬につながれた、大きなそり。屋根が付いている。魔界のおいしい木の実を模した形になっていて、とってもかわいい。
「お前はどれほど崇められようとも、これまでの生活を変えることはないだろうからな。ここにいるからには、迷宮のことも教えねばならん」
「迷宮?」
恐ろしそうな響き。けれど彼は、おもしろそうにクッと笑った。
「お前が目を輝かせて掃除にかかりそうな場所だ。こいつがいれば道に惑うことはないが、万一ということがある。これを持っていけ」
手渡されたのは、馬車の色と同じ、赤紫色の宝石。
「綺麗……」
「何かあれば俺の名を呼べ。その石を身に着けている限り、必ず助けに行く」
「はい。……あの」
そういえば、お名前って。魔王様……でいいのかな。
優しく抱き寄せられた。
「俺の名を知る者は少なくなった。お前には知っていてほしい。アンジェだ」
「アンジェ様……素敵なお名前ですね」
「ありがとう」
この方の腕の中が、好き。ああ、千年一緒にいられるんだわ。
「わぁ、素敵!」
双頭の馬につながれた、大きなそり。屋根が付いている。魔界のおいしい木の実を模した形になっていて、とってもかわいい。
「お前はどれほど崇められようとも、これまでの生活を変えることはないだろうからな。ここにいるからには、迷宮のことも教えねばならん」
「迷宮?」
恐ろしそうな響き。けれど彼は、おもしろそうにクッと笑った。
「お前が目を輝かせて掃除にかかりそうな場所だ。こいつがいれば道に惑うことはないが、万一ということがある。これを持っていけ」
手渡されたのは、馬車の色と同じ、赤紫色の宝石。
「綺麗……」
「何かあれば俺の名を呼べ。その石を身に着けている限り、必ず助けに行く」
「はい。……あの」
そういえば、お名前って。魔王様……でいいのかな。
優しく抱き寄せられた。
「俺の名を知る者は少なくなった。お前には知っていてほしい。アンジェだ」
「アンジェ様……素敵なお名前ですね」
「ありがとう」
この方の腕の中が、好き。ああ、千年一緒にいられるんだわ。