愛しい魔王様泣かないで!私はここにいます
第1章 魔王様と私-3
目を覚ましたのは、髪を撫でる手を感じたから。誰かがベッドに腰かけている。誰か……誰かって!
「起きたか」
飛び起きた私の背を自然に支えた魔王様は、乱れた髪をそっと直してくれた。どう反応したらいいのか分からない。彼は私の頬に手を添え、なぜかとても満ち足りた顔をしている。この表情の意味は何? 「うまそうな生贄だ」っていうこと!?
「震えているな。何が怖い? 言ってみろ」
あなたの存在も、私が連れてこられたわけも、多分今からされることも怖いんですけど!
もう、これは直球で聞くしかない。
「私は……殺されてしまうのですか」
「何を言う。お前は俺の花嫁だ」
「え? ……ンッ」
唇が重なった、と分かったのは、離れた後だった。
「接吻は初めてか?」
何だろう、楽しそうな顔。
「初めてに、決まっています……」
純潔を守ってきた乙女なんですからっ。
「そうか。案ずるな。すべて俺が教える」
「教える、って……何をっ」
「言っただろう。お前は俺の花嫁。今宵は婚礼の夜だ」
こ、婚礼っ!?
「起きたか」
飛び起きた私の背を自然に支えた魔王様は、乱れた髪をそっと直してくれた。どう反応したらいいのか分からない。彼は私の頬に手を添え、なぜかとても満ち足りた顔をしている。この表情の意味は何? 「うまそうな生贄だ」っていうこと!?
「震えているな。何が怖い? 言ってみろ」
あなたの存在も、私が連れてこられたわけも、多分今からされることも怖いんですけど!
もう、これは直球で聞くしかない。
「私は……殺されてしまうのですか」
「何を言う。お前は俺の花嫁だ」
「え? ……ンッ」
唇が重なった、と分かったのは、離れた後だった。
「接吻は初めてか?」
何だろう、楽しそうな顔。
「初めてに、決まっています……」
純潔を守ってきた乙女なんですからっ。
「そうか。案ずるな。すべて俺が教える」
「教える、って……何をっ」
「言っただろう。お前は俺の花嫁。今宵は婚礼の夜だ」
こ、婚礼っ!?