愛しい魔王様泣かないで!私はここにいます

第1章 魔王様と私-9

 夜の行為は、三晩続いた。二日目の夜は、戸惑いの中で彼を迎え入れた。最初の時のような衝撃や困惑はなかったけれど、婚礼という儀式に必要なことなのだろうと、頭で理解しようとした。
 三日目は、体が慣れてきて、彼の魔術の助けを借りることなく繋がった。
「魔王様……」
「そうだ、それでいい……掴まっていろ」
「はい……」
 この行為には、儀式以外の意味がある。その答えが見つからないまま、今は私の唯一の世界であり、世界のすべてである彼に縋った。
 眠りに落ちる時、彼は私を抱きしめて言った。
「俺はお前を選んだ。次はお前が俺を選ぶ番だ」
「それは……どういう?」
「お前はこれで正式な妻となった。次に肌を合わせるのは、お前が俺を夫と認めた時だ」
「私が、あなたを……」
「そうだ。心から、な。待っているよ」
 額に口づけられ、夢かうつつか、「はい」と呟いた。


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