「レモン½で食べよ!」

 その、令和においては客観的に見てどうなのか、などとは考えもしない私にとっては、とってもとっても気になる存在でしかない戸田くん。
 彼は、普段だったならば、本を読みながら時間をつぶしているはずの時間に、既に教室にはいなかった。

 もしかして、購買部にパンでも買いに行ったのかもしれない。
 昼休みに、彼が食事をしているところは、一度も見たことがなかったけれど。

 たまたまお腹がすいて、…、あ、…まさか、なんだけど、え、そうかも。
 私が、来るから?
 …嫌だから、どこかに隠れた、ってのもあり得なくもないような気がする。

 自分の閃きに、思わず俯いてしょぼんとしてしまう。

 



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