「レモン½で食べよ!」

 「ねえねえ香歩~…、好きな人がいるなら、やめておきなよお~…」
 「カラオケを?ルミは、カラオケ行かないの?あ、土曜だから彼氏と一緒?」
 「って言うかあ、もう別れるー。カッコいいかもだけど、自慢ばっかで話がつまんないのー…」
 「そうなんだ…、残念だったね。ホノカは長続きしてるよね。25歳なんて、年が離れすぎてて、私だったらちょっと怖いのに、すごいね」
 「あたしにすっごい夢中だよ。なんでもしてくれるし、楽!香歩の好きな人って、昼ご飯一緒に食べてる男子?地味くない?」
 「地味くないよ。…でも進展が欲しい。せめてラインが知りたいー!!」

 一旦、ビーズアクセサリー制作から意識を友人たちとの会話へと戻すと、本音をぶちまける。

 ラインも何も、戸田くんがスマホを弄っているところを見たことがなかったので、所持しているかどうかすら怪しいけれど、それでも連絡先がわかれば…、えっと、そう、心のお守りにするのに。

 だって、今、高校生活はとっても楽しいけれど、いつ何が起こるかわからないでしょ?
 ものすごく傷ついてしまうことって、突然襲って来るものだから。

 そうだ、まさにそんな時だったんだ。

 あの、Web小説にたどり着いた日だって、そうだった。



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