魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
どう謝罪していいかわからず、立ち上がってひたすら頭を下げるばかりの私を彼が押しとどめた。
「いや、構わんさ。俺は慣れているが、街人たちに囲まれた気疲れもあったろう」
なんでもない様子で彼は立ち上がると体を伸ばし、私の顔をじっと見つめた。
なんだか、その瞳の奥には迷いがよぎったような、そんな気がしたが……やがて彼は私に尋ねかける。
「これから連れて行きたいところがあるが、付いて来てくれるか?」
妙な質問だ。私はこの方のことを信じている。わざわざ前置きをせずとも、どこへだろうと付いて行くつもりなのに……。
「は、はい。もちろんです」
きょとんとしながらも私がそう答えると、彼は「行こう」と一言だけ発し、私を入り組んだ路地裏に構えられた、あるお店へと案内する。
外見は普通の店舗と変わらないように見えるが、よく見れば奥の方は別の棟に別れていて、たくさんの煙突が空に伸び、煙を吐き出している。
「いや、構わんさ。俺は慣れているが、街人たちに囲まれた気疲れもあったろう」
なんでもない様子で彼は立ち上がると体を伸ばし、私の顔をじっと見つめた。
なんだか、その瞳の奥には迷いがよぎったような、そんな気がしたが……やがて彼は私に尋ねかける。
「これから連れて行きたいところがあるが、付いて来てくれるか?」
妙な質問だ。私はこの方のことを信じている。わざわざ前置きをせずとも、どこへだろうと付いて行くつもりなのに……。
「は、はい。もちろんです」
きょとんとしながらも私がそう答えると、彼は「行こう」と一言だけ発し、私を入り組んだ路地裏に構えられた、あるお店へと案内する。
外見は普通の店舗と変わらないように見えるが、よく見れば奥の方は別の棟に別れていて、たくさんの煙突が空に伸び、煙を吐き出している。