魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
悔しさ――どれだけ努力し、成果を上げようとも、あの場所ではすべての人が私を嫌い、拒み、虐げ粗雑に扱った。
――こんなにも頑張っているのに、どうして認めてくれないのか……!
そうした行き場のない気持ちを押し込めるのと一緒に、私は他の一切の感情を捨て去ったふりをした。かつては私の心の中にもあったのだ。新たな知識を得る喜びや成功の嬉しさ、未知の魔導具を作り出したいという探求心、そして誰かの笑顔を見たい、いつか素敵なものを作りたいという、夢や希望が……。
前者の誰かに認めてもらいたいといった気持ちは、きっとここでならゆっくりと叶えられていくはずだ。ハーメルシーズ領の人々たちなら、私の努力を正しく評価してくれる。
ならば後は……過去の夢や希望を。私が引きずっている魔導具に対しての執念を捨て去るのか否か。それを自身に問わないとならない。今ここで……。
「……ディクリド様、やってください」
私は決意を絞り出すと、剣を構えたまま揺るぎもしない彼にお願いをした。
ディクリド様のその逞しい両腕に、ぎっと力が篭る。
――こんなにも頑張っているのに、どうして認めてくれないのか……!
そうした行き場のない気持ちを押し込めるのと一緒に、私は他の一切の感情を捨て去ったふりをした。かつては私の心の中にもあったのだ。新たな知識を得る喜びや成功の嬉しさ、未知の魔導具を作り出したいという探求心、そして誰かの笑顔を見たい、いつか素敵なものを作りたいという、夢や希望が……。
前者の誰かに認めてもらいたいといった気持ちは、きっとここでならゆっくりと叶えられていくはずだ。ハーメルシーズ領の人々たちなら、私の努力を正しく評価してくれる。
ならば後は……過去の夢や希望を。私が引きずっている魔導具に対しての執念を捨て去るのか否か。それを自身に問わないとならない。今ここで……。
「……ディクリド様、やってください」
私は決意を絞り出すと、剣を構えたまま揺るぎもしない彼にお願いをした。
ディクリド様のその逞しい両腕に、ぎっと力が篭る。