魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
見た目可愛らしいその建物を私がじっくり眺めている間に、ふたりは私の手を引きずんずんと進んでゆく。そして扉を開けると、おもむろに中まで踏み込んでしまった。
「ちょっとちょっと……勝手に入って大丈夫なんですか!?」
さすがにその行動には私もびっくりして、彼らを引き留めようとしたのだけれど……ふたりは想定通りの反応を見たというようにっこりと笑う。
そして、次の彼らの言葉は、とんでもない破壊力で私の憂慮を吹き飛ばした。
「確かに僕らが勝手に入るのは望ましくないかも知れないよね、リラフェン」
「そうね。だってここは今日から……サンジュ、あんたの店になるんだから」
リラフェンが取った私の手の平に、ちゃりと銀色の鍵が落とし込まれ――。
「……えぇぇぇぇ――――――っ!?」
このハーメルシーズ領に来て……いやもしかしたら、生まれて以来一番大きな声で叫んだ私は、あまりのことに力が抜け、その場にお尻からどさっと倒れ込んだ。
「ちょっとちょっと……勝手に入って大丈夫なんですか!?」
さすがにその行動には私もびっくりして、彼らを引き留めようとしたのだけれど……ふたりは想定通りの反応を見たというようにっこりと笑う。
そして、次の彼らの言葉は、とんでもない破壊力で私の憂慮を吹き飛ばした。
「確かに僕らが勝手に入るのは望ましくないかも知れないよね、リラフェン」
「そうね。だってここは今日から……サンジュ、あんたの店になるんだから」
リラフェンが取った私の手の平に、ちゃりと銀色の鍵が落とし込まれ――。
「……えぇぇぇぇ――――――っ!?」
このハーメルシーズ領に来て……いやもしかしたら、生まれて以来一番大きな声で叫んだ私は、あまりのことに力が抜け、その場にお尻からどさっと倒れ込んだ。