魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
馬や牛は重要な資産で売ればひと財産になるのだろうが、今の私たちがいただいたところで保管する場所も引き取ってもらう伝手もない。それよりも、また先立つものよりも今は重要なことがあると、私にも分かっている。
ならば、ここは商売人らしく交渉だ……!
「あの……よかったら、試供品としてこれは特別にただでお譲りします。その代わり、お願いしたいことがあるんですが、いいですか!?」
「なんだい? その便利な鍬を譲ってもらえるなら、大抵のことはさせてもらうが……」
首を傾げる彼に、私はその条件を提示する。
「なるべく多くの知り合いに、私のお店のことを伝えてもらいたいんです! 私たちはこの魔導具という道具で、ハーメルシーズ領の皆さんの暮らしを豊かにできればと思っていて……。皆さんには私たちをこの街の一員として受け入れ、お店を訪れて作った道具にたちに触れてもらいたいんです!」
街の人たちの信頼を得るには、彼のような影響力のある人物に認めてもらうことが一番だ。その為にフィトロさんはこうしてお話を通してくれた。それを無駄にしないためにも、私は必死に言い募る。
ならば、ここは商売人らしく交渉だ……!
「あの……よかったら、試供品としてこれは特別にただでお譲りします。その代わり、お願いしたいことがあるんですが、いいですか!?」
「なんだい? その便利な鍬を譲ってもらえるなら、大抵のことはさせてもらうが……」
首を傾げる彼に、私はその条件を提示する。
「なるべく多くの知り合いに、私のお店のことを伝えてもらいたいんです! 私たちはこの魔導具という道具で、ハーメルシーズ領の皆さんの暮らしを豊かにできればと思っていて……。皆さんには私たちをこの街の一員として受け入れ、お店を訪れて作った道具にたちに触れてもらいたいんです!」
街の人たちの信頼を得るには、彼のような影響力のある人物に認めてもらうことが一番だ。その為にフィトロさんはこうしてお話を通してくれた。それを無駄にしないためにも、私は必死に言い募る。