魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「そのためには、私たちが怪しい者ではないと信用していただかないといけない。だからそのお手伝いをウィリーさん、どうか、お願いします……!」
私が深々と頭を下げ、長い沈黙の後……。
「……わかった。やってやるよ」
私がばっと顔を上げると、ウィリーさんは照れくさそうに、長年の農作業で分厚くなった手のひらを差し出す。
「この街はおいらたちの大事な故郷だからよ。本当は、来たばっかやつをやすやすと懐に入れちまうのも怖ぇんだ……。だが、あんたの言葉からは伝わってくる……誰かを支えてやろうって気持ちがな。そういうやつなら、きっと街の皆と一緒にここを盛り立てていってくれるだろうよ。それにどっちみち、伯の信頼厚いランツ子爵からの紹介だってんなら放ってはおけねぇ。任しとけ」
「感謝します……!」
「お互い様だ。そんじゃあ、これからもよろしくな。サンジュさんよ」
「はいっ!」
交渉は見事成立。地割のフースを肩に担いだ彼に見送られ、私は少し軽くなった荷物を手に次の目的地へと急ぐ――。
私が深々と頭を下げ、長い沈黙の後……。
「……わかった。やってやるよ」
私がばっと顔を上げると、ウィリーさんは照れくさそうに、長年の農作業で分厚くなった手のひらを差し出す。
「この街はおいらたちの大事な故郷だからよ。本当は、来たばっかやつをやすやすと懐に入れちまうのも怖ぇんだ……。だが、あんたの言葉からは伝わってくる……誰かを支えてやろうって気持ちがな。そういうやつなら、きっと街の皆と一緒にここを盛り立てていってくれるだろうよ。それにどっちみち、伯の信頼厚いランツ子爵からの紹介だってんなら放ってはおけねぇ。任しとけ」
「感謝します……!」
「お互い様だ。そんじゃあ、これからもよろしくな。サンジュさんよ」
「はいっ!」
交渉は見事成立。地割のフースを肩に担いだ彼に見送られ、私は少し軽くなった荷物を手に次の目的地へと急ぐ――。