魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
玄関から見送る彼女と挨拶を交わしながら、私はお城の片隅に楚々と佇む女使用人の館を目に焼き付けた。ここに来たばかりの、絶望に苦しんでいた私を癒してくれたこの場所は私にとって、忘れることのない大切な場所なっている。
(………よし、行こう!)
ここはこの先もきっと、何度訪れても私を優しく迎え入れてくれることだろう――そう思えばとても心強く、踏み出す足にも力強さが篭った。
(………よし、行こう!)
ここはこの先もきっと、何度訪れても私を優しく迎え入れてくれることだろう――そう思えばとても心強く、踏み出す足にも力強さが篭った。