魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「ハーメルシーズ……? 西のど田舎の、始終隣国と殺し合ってる野蛮人どもじゃねぇか。んなとこで売られてる質の低い魔導具がなんだってんだ?」
ザドは、男から布に包まれていた魔導具を受け取ると、それを軽く眺める。
「ん……?」
すると、彼の記憶に引っかかるものがあった。
ザドとて王都で経営する魔導具店の店主のひとりだ。ある程度品物を見分けられる目は持っている。王都でもよく売られている水差し型の魔導具。しかしその出来は精緻で、とても昨日今日魔導具を手掛け出した職人のものとは思えない。
「凝った細工じゃねぇが、やけに丁寧な仕事だ。金属の質も悪くない……。おい、そこの! テーブルにあるやつを今すぐを持ってこい! 早くしろ、使えねぇな!」
ザドは後ろにいる女たちに命令を下すと、魔導具の製造で扱う工具をもって来させた。
そしてもう数年はまともに振るっていない道具捌きを披露すると、水差しの底面に付いているねじを取り外し、核たる内部構造を検める。すると……。
ザドは、男から布に包まれていた魔導具を受け取ると、それを軽く眺める。
「ん……?」
すると、彼の記憶に引っかかるものがあった。
ザドとて王都で経営する魔導具店の店主のひとりだ。ある程度品物を見分けられる目は持っている。王都でもよく売られている水差し型の魔導具。しかしその出来は精緻で、とても昨日今日魔導具を手掛け出した職人のものとは思えない。
「凝った細工じゃねぇが、やけに丁寧な仕事だ。金属の質も悪くない……。おい、そこの! テーブルにあるやつを今すぐを持ってこい! 早くしろ、使えねぇな!」
ザドは後ろにいる女たちに命令を下すと、魔導具の製造で扱う工具をもって来させた。
そしてもう数年はまともに振るっていない道具捌きを披露すると、水差しの底面に付いているねじを取り外し、核たる内部構造を検める。すると……。