魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「俺はこの地が好きだ。王都のような華やかさや活気はなくとも、住む人々は大らかで懐が広い。こうして王国西部の平和を何百年も守り続けてきたお前たちの粘り強さがあれば、どんな不幸や悲しみが立ちはだかろうと、決して膝を屈することはないだろう。皆、その気概を持ってこの先も俺たちと共にこの国を……仲間と家族を、一丸となって守っていってくれ! その対価としてささやかではあるが、本日はできる限りもてなすつもりだ。この時を生きる喜びをぜひ、満喫して欲しい……! それでは、杯を掲げよ!」
彼の合図で、事前に手渡されていたシャンパングラスを皆が挙げ――。
「乾杯!」
「「「乾杯―っ!!」」」
ディクリド様の会場全体に行き渡る大きな音頭と共に、一斉に私たちはそれを打ち鳴らし、グラスを傾けた。
そこからは華やかな音楽が奏でられ、一転会場がゆったりとした気楽なムードに変じる。宴の始まりに、人々はこぞって近くの人々と喜びを分かち合った。
リラフェンが、そこら中に並ぶ数多くの料理に目を光らせる。
彼の合図で、事前に手渡されていたシャンパングラスを皆が挙げ――。
「乾杯!」
「「「乾杯―っ!!」」」
ディクリド様の会場全体に行き渡る大きな音頭と共に、一斉に私たちはそれを打ち鳴らし、グラスを傾けた。
そこからは華やかな音楽が奏でられ、一転会場がゆったりとした気楽なムードに変じる。宴の始まりに、人々はこぞって近くの人々と喜びを分かち合った。
リラフェンが、そこら中に並ぶ数多くの料理に目を光らせる。