魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
(死ぬなよ……!)
白い顔をした娘の上に覆いかぶさると、ディクリドは胸の上に手を添えて押し下げながら、口から直接幾度も息を吹き込んだ。
二度、三度……戦場仕込みの救命行為は続けられ、やがて娘の口から泡が零れだす。顔を横に向けてやると苦しそうに咳き込み、水が吐き出され始めた。
それからも何度か人工呼吸を続けていると、薄っすらと娘の目が開かれ……ぼんやりとディクリドに向けられる。
「ごほっ……あ、なた、は……」
だが、そこまでだった。
「――――っ!?」
彼女はディクリドのその姿を見るなり、か細い悲鳴を残して、そのまま気を失ってしまう。
「おや……怯えられてしまいましたか」
「いつものことだな」
白い顔をした娘の上に覆いかぶさると、ディクリドは胸の上に手を添えて押し下げながら、口から直接幾度も息を吹き込んだ。
二度、三度……戦場仕込みの救命行為は続けられ、やがて娘の口から泡が零れだす。顔を横に向けてやると苦しそうに咳き込み、水が吐き出され始めた。
それからも何度か人工呼吸を続けていると、薄っすらと娘の目が開かれ……ぼんやりとディクリドに向けられる。
「ごほっ……あ、なた、は……」
だが、そこまでだった。
「――――っ!?」
彼女はディクリドのその姿を見るなり、か細い悲鳴を残して、そのまま気を失ってしまう。
「おや……怯えられてしまいましたか」
「いつものことだな」