魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「爺ちゃん、余計なことは話さなくていいの! 店の跡継ぎはどうせ兄貴がやるんだしさ。うちは剣だの鎧だのより、もうちょっと華やかなものを作りたいんだよね。こっちのお店の魔導具のほとんどはサンジュさんがデザインしてるんでしょ? ぜひ、そういうのを直接教えてもらいたかったんだ。なので、ご指導ご鞭撻、よろしくお願いしますね」
お世話になっているんだし、別にわざわざ弟子入りのようなことをしなくたって教えるくらいは構わないのに――私がそう言う前に、早速リラフェンが先輩風を吹かせにかかった。
「サンジュに直接魔導具のことを教わりたいなら、まずは雑用を完璧にこなせるようになってちょうだいな。あたしは簡単には認めないけどね」
「望むところだよ。一月もあれば十分さ」
実はリラフェンにも空いた時間で少しずつ魔導具のことを覚えていってもらっているのだが、今後はその勉強会にルシルも混ざることになるだろう。切磋琢磨しつつ、お互いに能力を伸ばしていってもらえたら嬉しい。
「ではお二方、この跳ねっ返りには手を焼くじゃろうが、どうか面倒を見てやってくだされ。ルシルよ、中途半端な状態で放りだそうとしたら、二度と敷居は跨がせんからな」
お世話になっているんだし、別にわざわざ弟子入りのようなことをしなくたって教えるくらいは構わないのに――私がそう言う前に、早速リラフェンが先輩風を吹かせにかかった。
「サンジュに直接魔導具のことを教わりたいなら、まずは雑用を完璧にこなせるようになってちょうだいな。あたしは簡単には認めないけどね」
「望むところだよ。一月もあれば十分さ」
実はリラフェンにも空いた時間で少しずつ魔導具のことを覚えていってもらっているのだが、今後はその勉強会にルシルも混ざることになるだろう。切磋琢磨しつつ、お互いに能力を伸ばしていってもらえたら嬉しい。
「ではお二方、この跳ねっ返りには手を焼くじゃろうが、どうか面倒を見てやってくだされ。ルシルよ、中途半端な状態で放りだそうとしたら、二度と敷居は跨がせんからな」