魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「へんっ、なにさ。こちとら爺ちゃんを唸らせるような細工の腕を身に着けてやるんだから。それまでに耄碌しないよう注意してよね! じゃね!」
あえて厳しい口調で炊きつけるオルジさんに憎まれ口を返しながらも、去ってゆく彼をを見つめるルシルの目には尊敬の光があった。
次いで彼女はくるりと体を回すと、私に近付いてさっと手を取る。
「……どうかした?」
ルシルは私の手を確かめるように握り、興味深く見つめた後、にこっと笑う。
「うん、爺ちゃんの言った通りだ。造る人の手って感じ! 安心した! それじゃ、早速お仕事教えてくださいっ!」
「その前に、あんたはこっち! そんな恰好でお店に出られちゃ堪んないのよ!」
「ええ~?」
彼女の格好は鍛冶作業に使う普段着なのか、上下シャツとパンツという、ほぼ男装と言っていい出で立ちだ。最近リラフェンと街の衣装店で揃いの衣装を仕立ててもらったばかりだし、その予備を彼女にも来てもらおうということになっている。
あえて厳しい口調で炊きつけるオルジさんに憎まれ口を返しながらも、去ってゆく彼をを見つめるルシルの目には尊敬の光があった。
次いで彼女はくるりと体を回すと、私に近付いてさっと手を取る。
「……どうかした?」
ルシルは私の手を確かめるように握り、興味深く見つめた後、にこっと笑う。
「うん、爺ちゃんの言った通りだ。造る人の手って感じ! 安心した! それじゃ、早速お仕事教えてくださいっ!」
「その前に、あんたはこっち! そんな恰好でお店に出られちゃ堪んないのよ!」
「ええ~?」
彼女の格好は鍛冶作業に使う普段着なのか、上下シャツとパンツという、ほぼ男装と言っていい出で立ちだ。最近リラフェンと街の衣装店で揃いの衣装を仕立ててもらったばかりだし、その予備を彼女にも来てもらおうということになっている。