魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
父親の苛立ちの舌打ちがこちらの耳を叩くも、彼は睨むだけでなにもしてはこない。審議時間は長きに渡り……できるだけの主張をした私は、静かな心持ちで裁定が下されるのを待ち受けた……。
「静かに。ではこれより、採決に移ろう」
高らかに裁判長が、審議の終了を告げる。
裁判長含め、九人の着席した裁判官が、背筋を伸ばす。
そして裁判長が、さっと手を挙げた。
「では、原告側の主張を認めるべきとする者、起立せよ!」
――ガタガタッ。
椅子を引き下げる音と同時に、複数の裁判官の立つ気配がした。私は恐れるあまり、それを見ることは叶わず俯く。
「次に、被告側の主張を認めるべきとする者、起立!」
再度裁判長の声が響き、木擦れの音が鳴る。私はただ、こちらの言葉を信じてくれる人がいることを祈った。
「静かに。ではこれより、採決に移ろう」
高らかに裁判長が、審議の終了を告げる。
裁判長含め、九人の着席した裁判官が、背筋を伸ばす。
そして裁判長が、さっと手を挙げた。
「では、原告側の主張を認めるべきとする者、起立せよ!」
――ガタガタッ。
椅子を引き下げる音と同時に、複数の裁判官の立つ気配がした。私は恐れるあまり、それを見ることは叶わず俯く。
「次に、被告側の主張を認めるべきとする者、起立!」
再度裁判長の声が響き、木擦れの音が鳴る。私はただ、こちらの言葉を信じてくれる人がいることを祈った。