魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
――特に、リラフェンなどは私が黙って出て行ったことが相当気に入らなかったらしく、『二度と口を利かない!』と断言し、仕事中ですら最低限の言葉しか交わせなかった時期もあった。
でも、今回のことは全面的に私が悪いのだから、いかにこの環境が私にとって大切だったかや、どうしても彼女たちを実家を巡るいざこざに巻き込みたくなかったことを伝えると……。
『馬鹿ね! あんたが居なかったらあたしがここにいる意味もないのよ!』
『そうだよ! うちはサンジュさん以外に教わる気なんてないんだ。せっかく立てた将来設計がぶちこわしになるところだったじゃんか!』
と、温かい言葉をかけて、最後にはちゃんと許してくれて――。
そうして……私の居ない間閉まっていた魔導具店はまた元通り営業を再開し始めたというわけであった。
「よし……店内のこまごまとした整理も片付いたし、今日は午後はゆっくりしましょうか! サンジュ、後で魔導具のこと教えてよね」
「あーずるいよリラフェン。うちが向こうの仕事で長く居れないのをいいことにさ!」
「こちとら先輩なんだし、二足のわらじを履いてるあんたに追いつかれちゃたまんないのよ。ほら、用事があるなら帰った帰った」
でも、今回のことは全面的に私が悪いのだから、いかにこの環境が私にとって大切だったかや、どうしても彼女たちを実家を巡るいざこざに巻き込みたくなかったことを伝えると……。
『馬鹿ね! あんたが居なかったらあたしがここにいる意味もないのよ!』
『そうだよ! うちはサンジュさん以外に教わる気なんてないんだ。せっかく立てた将来設計がぶちこわしになるところだったじゃんか!』
と、温かい言葉をかけて、最後にはちゃんと許してくれて――。
そうして……私の居ない間閉まっていた魔導具店はまた元通り営業を再開し始めたというわけであった。
「よし……店内のこまごまとした整理も片付いたし、今日は午後はゆっくりしましょうか! サンジュ、後で魔導具のこと教えてよね」
「あーずるいよリラフェン。うちが向こうの仕事で長く居れないのをいいことにさ!」
「こちとら先輩なんだし、二足のわらじを履いてるあんたに追いつかれちゃたまんないのよ。ほら、用事があるなら帰った帰った」