魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
疑問は尽きないが、私も研究ばかりに時間を費やしているわけにはいかない。
(……いけないいけない、他にもやることは山積みなのに!)
本業のことを忘れてはいけない。いくら休日とて家の手入れや炊事洗濯、お店の在庫の確認、こなすべきことはいくらでもある。
とにかく手近なものから片付けようと部屋を出ようとした時丁度、リラフェンが扉を開けて顔を覗かせた。
「サンジュ、あたしちょっと買い出しで街に出てくるわ。なにか欲しいものとかある?」
「ううん、なにも。荷物が多いなら手伝うけれど……」
私がそう申し出ると、リラフェンは笑顔で首を振った。
「荷物のひとつやふたつ、心配しなくたって大丈夫よ。ルシルほどじゃないけど、あたしだって長年の下働きで鍛えられてるんだから。それに、あんたに甘えてばっかりじゃ格好悪いし。気持ちだけいただいとくわ」
そして「行ってくるね」と小さく手を振りお店の外に駆けていった。
(……いけないいけない、他にもやることは山積みなのに!)
本業のことを忘れてはいけない。いくら休日とて家の手入れや炊事洗濯、お店の在庫の確認、こなすべきことはいくらでもある。
とにかく手近なものから片付けようと部屋を出ようとした時丁度、リラフェンが扉を開けて顔を覗かせた。
「サンジュ、あたしちょっと買い出しで街に出てくるわ。なにか欲しいものとかある?」
「ううん、なにも。荷物が多いなら手伝うけれど……」
私がそう申し出ると、リラフェンは笑顔で首を振った。
「荷物のひとつやふたつ、心配しなくたって大丈夫よ。ルシルほどじゃないけど、あたしだって長年の下働きで鍛えられてるんだから。それに、あんたに甘えてばっかりじゃ格好悪いし。気持ちだけいただいとくわ」
そして「行ってくるね」と小さく手を振りお店の外に駆けていった。