魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
歓声だ――多くの領民の喜びの声が砦の内側から響いて来ている。
上を見上げれば、壁上にもたくさんの兵士たちが立って、笑顔で手を振りハーメルシーズ領の軍旗をはためかせている。
「――すまん……走らせてくれ!」
「存分に!」
ディクリドは思わずシャルビュ号を駆けさせ、老伯爵が慌ててその手を離す。
黒馬と一体となり、砦の中の大きく開けた敷地に飛び込んでゆく。
その瞬間、大きな祝福の声が出迎えた。
「「「領主様……ご帰還、おめでとうございます!」」」
そこでは砦中の兵士が出て来たのかと思うほどの人数が立ち並び、彼を待ち受けてくれていた。
体に傷を負ったり、一部を失ってしまったものがいる。仲間に肩を支えられ、立っているのがやっとの者も。しかし一様に彼らは、ディクリドの帰還に声を上げ、手を叩いて働きを讃えてくれている。
追いついて来たジェレマインが教えてくれた。
上を見上げれば、壁上にもたくさんの兵士たちが立って、笑顔で手を振りハーメルシーズ領の軍旗をはためかせている。
「――すまん……走らせてくれ!」
「存分に!」
ディクリドは思わずシャルビュ号を駆けさせ、老伯爵が慌ててその手を離す。
黒馬と一体となり、砦の中の大きく開けた敷地に飛び込んでゆく。
その瞬間、大きな祝福の声が出迎えた。
「「「領主様……ご帰還、おめでとうございます!」」」
そこでは砦中の兵士が出て来たのかと思うほどの人数が立ち並び、彼を待ち受けてくれていた。
体に傷を負ったり、一部を失ってしまったものがいる。仲間に肩を支えられ、立っているのがやっとの者も。しかし一様に彼らは、ディクリドの帰還に声を上げ、手を叩いて働きを讃えてくれている。
追いついて来たジェレマインが教えてくれた。