魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「お代わりはどう?」
「……んー、いい」
かと思ったら、彼女は話すのを止めて物憂げにため息を付いた。食事もまだ皿に半分以上残っているが、ちくちくとフォークで突いては口に入れようとしない。最近はこういう時も多く、いつもならば「なにかあったの?」と、すぐに聞いてあげるところだが……私にはちょっと思うところがあって、食事の手を止め、別の尋ね方をすることにした。
「リラフェン、こっちを見て」
「え、ど……どうしたの?」
やや挙動不審になった隣の彼女と椅子を動かして向かい合うと、私は笑いかけた。
「私がここまでやってこれたのは、あなたのおかげ。私とこんな風な関係を築いてくれる人ができるなんて、ここにくるまでは思いもしなかった。本当にありがとう」
「な、なによ、藪から棒に……。そんなのは、お互い様っていうやつでしょ。あたしだって、あんたにたくさん教えてもらって、助けてもらってさ……」
リラフェンは、ふくれ面をして顔を背けた。だが、私は構わず続けた。
「……んー、いい」
かと思ったら、彼女は話すのを止めて物憂げにため息を付いた。食事もまだ皿に半分以上残っているが、ちくちくとフォークで突いては口に入れようとしない。最近はこういう時も多く、いつもならば「なにかあったの?」と、すぐに聞いてあげるところだが……私にはちょっと思うところがあって、食事の手を止め、別の尋ね方をすることにした。
「リラフェン、こっちを見て」
「え、ど……どうしたの?」
やや挙動不審になった隣の彼女と椅子を動かして向かい合うと、私は笑いかけた。
「私がここまでやってこれたのは、あなたのおかげ。私とこんな風な関係を築いてくれる人ができるなんて、ここにくるまでは思いもしなかった。本当にありがとう」
「な、なによ、藪から棒に……。そんなのは、お互い様っていうやつでしょ。あたしだって、あんたにたくさん教えてもらって、助けてもらってさ……」
リラフェンは、ふくれ面をして顔を背けた。だが、私は構わず続けた。