魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
……式典が終わり、講堂を後にする生徒たちを見送った後、私は学校の外に出てゆく。すると、出口から少し離れたところで私を待ってくれている人たちがいた。
「伝えたいことは伝えられたようだな。外から見ていたが、多くの者がお前の言葉になにかを感じていたように思う」
そう言って私を迎えてくれたのは、もちろんディクリド様だ。微笑みながら近づいてくる彼の腕には、ひとりの幼子が抱かれている。赤毛に、彼と同じ目の色をした少年は、きらきらとその瞳を輝かせ、小さな手をこちらに伸ばした。
「ははうえ! おかえりなさい!」
「うふふ、ただいま。ルック」
私はディクリド様から譲られた彼の身体を抱えると、抱き締めて頬ずりする。彼の名前は、ルクレット・ハーメルシーズ。三年前に生まれた私の愛しい息子だ。
「寂しくなかった?」
「ちちうえがごほんをよんでくれたから、たのしかった~」
ルクレットは子供らしい屈託ない笑いで答え、ディクリド様が大きな手で頭を撫でた。
「伝えたいことは伝えられたようだな。外から見ていたが、多くの者がお前の言葉になにかを感じていたように思う」
そう言って私を迎えてくれたのは、もちろんディクリド様だ。微笑みながら近づいてくる彼の腕には、ひとりの幼子が抱かれている。赤毛に、彼と同じ目の色をした少年は、きらきらとその瞳を輝かせ、小さな手をこちらに伸ばした。
「ははうえ! おかえりなさい!」
「うふふ、ただいま。ルック」
私はディクリド様から譲られた彼の身体を抱えると、抱き締めて頬ずりする。彼の名前は、ルクレット・ハーメルシーズ。三年前に生まれた私の愛しい息子だ。
「寂しくなかった?」
「ちちうえがごほんをよんでくれたから、たのしかった~」
ルクレットは子供らしい屈託ない笑いで答え、ディクリド様が大きな手で頭を撫でた。