魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「そういうことだから、僕たちには気兼ねしないでください。この子も会わせてあげたかったし。ほら、レンシア」
フィトロさんが、ズボンの後ろから顔を覗かせた、小さな女の子に挨拶を促す。
「お、おふたりとも、このたびは、ごきげんうるわしゅう……。ははとちちが、よくおせわになっています」
「あら、礼儀正しい」
「うむ。ちゃんと挨拶できて偉いな」
フィトロさんに似た青い髪を両サイドで結び、薄い紫の瞳をおずおずと瞬かせたのは、ふたりの娘のレンシアちゃん。ルクレットよりは一年と少し早く生まれたから、もう少し言葉はしっかりしている。
私たちが褒めると、彼女は恥ずかしがり屋なのか、すぐにフィトロさんの後ろに隠れてしまった。年相応の仕草がとてもかわいらしい。
「もう、レンシア。ふたりとも優しい人だから、もっと甘えてみたらいいのに」
「小さな頃の君に似てるかもね。でも、きっとその内誰とも打ち解けるようになるよ。ルクレットは、元気にしていたかな?」
私が彼を地面に下ろすと、ルクレットはとてとてとリラフェン達のもとに走ってゆく。
フィトロさんが、ズボンの後ろから顔を覗かせた、小さな女の子に挨拶を促す。
「お、おふたりとも、このたびは、ごきげんうるわしゅう……。ははとちちが、よくおせわになっています」
「あら、礼儀正しい」
「うむ。ちゃんと挨拶できて偉いな」
フィトロさんに似た青い髪を両サイドで結び、薄い紫の瞳をおずおずと瞬かせたのは、ふたりの娘のレンシアちゃん。ルクレットよりは一年と少し早く生まれたから、もう少し言葉はしっかりしている。
私たちが褒めると、彼女は恥ずかしがり屋なのか、すぐにフィトロさんの後ろに隠れてしまった。年相応の仕草がとてもかわいらしい。
「もう、レンシア。ふたりとも優しい人だから、もっと甘えてみたらいいのに」
「小さな頃の君に似てるかもね。でも、きっとその内誰とも打ち解けるようになるよ。ルクレットは、元気にしていたかな?」
私が彼を地面に下ろすと、ルクレットはとてとてとリラフェン達のもとに走ってゆく。