魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「そうか、そこまでだったのだな……」
そんな私にディクリド様は目を細めた後、大きな体を屈めるようにして私に視線を合わせた。
「これからはそうではいけない。リラフェンに色々な仕事を経験させてもらい、その中に自分なりの意義を見つけ出せ。そして、己の意志で選ぶのだ。単純に生きるためだけではなく、これをやりたいのだと。それがお前の仕事であり、役割だ」
「私なんかが……自分でそれを選ぶのですか?」
私にとって、今まで生きることは誰かに使われることでしかなかった。
だけどディクリド様は、今度はそれを私自身に選ばせるという。それがおこがましいことのように思え、気が付けば俯いて必死に首を振っている自分がいた。
「む、無理です! 私には……言われたことしかできません! お、お願いします、私に仕事を与えてください! 言われたことなら一生懸命なんでもやりますから!」
しかしディクリド様は目線を合わせたまま私の言葉を拒む。
「それでは駄目なのだ。人として生きていることにはならない」
そんな私にディクリド様は目を細めた後、大きな体を屈めるようにして私に視線を合わせた。
「これからはそうではいけない。リラフェンに色々な仕事を経験させてもらい、その中に自分なりの意義を見つけ出せ。そして、己の意志で選ぶのだ。単純に生きるためだけではなく、これをやりたいのだと。それがお前の仕事であり、役割だ」
「私なんかが……自分でそれを選ぶのですか?」
私にとって、今まで生きることは誰かに使われることでしかなかった。
だけどディクリド様は、今度はそれを私自身に選ばせるという。それがおこがましいことのように思え、気が付けば俯いて必死に首を振っている自分がいた。
「む、無理です! 私には……言われたことしかできません! お、お願いします、私に仕事を与えてください! 言われたことなら一生懸命なんでもやりますから!」
しかしディクリド様は目線を合わせたまま私の言葉を拒む。
「それでは駄目なのだ。人として生きていることにはならない」