魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
心の中で絶叫が伸び、私はお高い絵画が窓を突き破って外に飛び出し、地面に落ちて粉々に砕けるさまを予想し絶望する。
しかし、救世主はすぐ傍にいらっしゃった。
「てぇりゃあーっ!」
リラフェン嬢――。
素晴らしいスピードで少女は窓に駆け寄ると、目一杯に振り上げた手で、絵画をはっしとジャンピングキャッチ。そしてそのまま抱え込むようにして地面との衝突から守り抜く!
「あ、は、は、は、は……」
まこと不幸中の幸い……!
弛緩した私の唇から、絶叫の余韻が零れ……絨毯の上で蹲っていたずぶ濡れの体を起こそうとしたところに、倒れた際に蹴り上げていた桶が奇跡的に被さった。
「んぐ、むぅー……むぅー」
頭を隠され、前の見えない暗闇の中で混乱していると、ツカツカと歩み寄る足音が聞こえ、間抜けな私の顔をすっぽりと収めていた桶がようやく外される。
しかし、救世主はすぐ傍にいらっしゃった。
「てぇりゃあーっ!」
リラフェン嬢――。
素晴らしいスピードで少女は窓に駆け寄ると、目一杯に振り上げた手で、絵画をはっしとジャンピングキャッチ。そしてそのまま抱え込むようにして地面との衝突から守り抜く!
「あ、は、は、は、は……」
まこと不幸中の幸い……!
弛緩した私の唇から、絶叫の余韻が零れ……絨毯の上で蹲っていたずぶ濡れの体を起こそうとしたところに、倒れた際に蹴り上げていた桶が奇跡的に被さった。
「んぐ、むぅー……むぅー」
頭を隠され、前の見えない暗闇の中で混乱していると、ツカツカと歩み寄る足音が聞こえ、間抜けな私の顔をすっぽりと収めていた桶がようやく外される。