魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)
「あんまり重く考えないで。すぐに分かることだし話しといただけだから……。国の境目ではよくある話よ。戦で親が死んだ子供が、寄り集まってどうにか生きていこうとしたけど、結局は悪党に捕まって、ひどい目に遭うってね……。そこをハーメルシーズ伯にたまたま助けられ、あの城で仕事を与えてもらったってわけ。まあ、なにが言いたいかって言うと……つまりあたしたちも、ここに来た頃はなんにも知らないただの子供だったってこと。だからさ――」
彼女はどこか恥ずかしそうに、こちらを睨むと言った。
「あんただって、なんでもできるってことよ。親の顔もよく覚えてないあたしたちみたいなのが、今こうして立派に働かせてもらえてんだから。そうなるまではあたしが面倒見てあげる……。半年だろうが一年だろうが、絶対に見捨てない。それだけは約束する」
彼女そう断言すると、お茶の残り飲み干して立ち上がり、私に手を差し出す。
「さ、そうと決まったらとっとと行きましょ。今日は一日中でも付き合ったげるわよ。あんたが自分になにが必要なのか、ちゃんと選べるようになるまでね」
「リラフェンさん……」
すると彼女は、舌打ちして頭を振った。
彼女はどこか恥ずかしそうに、こちらを睨むと言った。
「あんただって、なんでもできるってことよ。親の顔もよく覚えてないあたしたちみたいなのが、今こうして立派に働かせてもらえてんだから。そうなるまではあたしが面倒見てあげる……。半年だろうが一年だろうが、絶対に見捨てない。それだけは約束する」
彼女そう断言すると、お茶の残り飲み干して立ち上がり、私に手を差し出す。
「さ、そうと決まったらとっとと行きましょ。今日は一日中でも付き合ったげるわよ。あんたが自分になにが必要なのか、ちゃんと選べるようになるまでね」
「リラフェンさん……」
すると彼女は、舌打ちして頭を振った。