『メガネ男子』に囲まれて

『メガネ男子』と私

 「葵、例のメガネ男子たちとどうなの?」
 女友達が葵に聞いた。
 「えっ! 何が?」と葵が答える。
 「え~だってさ、あの『イケメンメガネ集団』
に囲まれてさ」
 「う~ん、最高だよ。前後左右にイケメンがいるんだから。
 それに、あの四人私が入る隙間がないくらい仲いいから」
 と葵が微笑んだ。
 「ふ~ん、まあ目の保養ですかね? 
 あれ、噂をすれば屋上から『イケメンのメガネ
男子』が手を振ってるよ」と女友達が言った。
 「本当だ」と言うと葵は笑って両手を振った。


 それから、寒い冬が来て温かい春がやって来た。
 高校三年生になった浜辺葵はクラス替えがされた
新しい教室の入り口に立つと教室を見渡した。

 そこには、席に座るメガネをかけた男子、
『メガネ男子』が葵の顔を見て微笑んでいた。
 葵も微笑んで、自分の席に歩み寄る。

 前には、四角い黒縁の男の子。
 後ろには、細長ノンフレの男。
 左隣には、シルバーフレームの彼。
 右隣には、まあるい伊達メガネの男子。

 彼女はそんな彼らを見ながら自分の席に向かう。
 彼女を囲むメガネをかけた四人の男子……。
 彼女は彼らに囲まれた真ん中の席に座った。


『メガネ』男子に囲まれた……
葵の楽しい学校生活が今日も始まる。

   ~『メガネ』男子に囲まれて 完~

             






 







             
                            




           
                         

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