タイトル未定
『沢田君』『はい』
『滝本くん…滝本くんは今日も来てないわね。』

今日もアイツは来ていない。
よく学校を休む滝本。来てもいつも何処か怪我した状態で、前にオデコを流血していたこともあった。
『通学路で転びました』って言ってたっけ。

僕は沢田岳(さわだたけし)小学4年生。
滝本雅臣(たきもとまさおみ)とは3年の頃から同じクラスで家も近くということもあり、帰りにプリントを持っていくことになった。

帰り道家の近くの公園を通りかかったら滝本がブランコに乗っていた。『滝本〜、どうして今日学校を休んだんだよ』っと言ったらこっちを振り向いた滝本の頬は腫れていた。
『起きれなかったんだ。起きたら昼過ぎだった』と笑う滝本の顔は痛々しかった。

『公園で何してんだよ?』『オヤジがどっかで時間潰してこいって家から追い出された』

そういえばコイツは家庭環境が複雑だったんだよな。母さんが滝本の母が家から出ていったとか滝本の家からよく男の怒鳴り声がするって言ってたっけ

『うちに来るか?滝本も宿題プリント預かってるぜ』
『休みなのに宿題とか先生えげつなっ!』
『確かに前にインフルで休んだとき宿題プリントが鬼のようにポストの中に入ってた』
『鬼ババアだな先生』なんて話をしながら俺ん家で宿題をすることになった。
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