【短】背伸びしてモックカクテル
◇
Soléil&Luneに通う癒しの時間がある一方で、学校で過ごす時間は近頃苦痛になりつつあった。
「ねえ志緒。坂下さ、とうとう月岡さんと付き合いだしたらしいよ。知ってた?」
その原因の大半は、色々な人からこうして聞いてもいないのに元カレの新たな恋愛事情を嬉々として報告されるからだったりする。
「へえ、そうなんだ」
「酷いよね~。坂下のヤツ、志緒と付き合ってたときから月岡さんのこと好きだったらしいよ? しかも妙に奥手だから聞いてみたら、『本当に好きな人だからゆっくりアピールしていきたい』とか言ってんの。うちらが勧めただけであっさり付き合った志緒はじゃあなんだよって話。本当に酷くない?」
私は本当に好きな人ではなかったってことだろう。それに元カレは、ちゃんと私と別れてから月岡さんに近づいた。別に酷くなんてない。
この子はそれを分かった上で、さらには面白がって言っているのが丸わかりだ。
Soléil&Luneに通う癒しの時間がある一方で、学校で過ごす時間は近頃苦痛になりつつあった。
「ねえ志緒。坂下さ、とうとう月岡さんと付き合いだしたらしいよ。知ってた?」
その原因の大半は、色々な人からこうして聞いてもいないのに元カレの新たな恋愛事情を嬉々として報告されるからだったりする。
「へえ、そうなんだ」
「酷いよね~。坂下のヤツ、志緒と付き合ってたときから月岡さんのこと好きだったらしいよ? しかも妙に奥手だから聞いてみたら、『本当に好きな人だからゆっくりアピールしていきたい』とか言ってんの。うちらが勧めただけであっさり付き合った志緒はじゃあなんだよって話。本当に酷くない?」
私は本当に好きな人ではなかったってことだろう。それに元カレは、ちゃんと私と別れてから月岡さんに近づいた。別に酷くなんてない。
この子はそれを分かった上で、さらには面白がって言っているのが丸わかりだ。