【短】背伸びしてモックカクテル
◇
「おう、お帰り春樹。……と志緒ちゃん。びしょびしょだな」
今度こそ入ったSoléil&Luneの店内。
店にはオーナー一人で、確かにもう月岡さんはいない。
「さっきは驚いたぞ。春樹のやつ、志緒ちゃんがいた気がするっつって突然走って出てくんだもんな」
「すみませんでした」
「まあ良いけどな。はい、とりあえず甘い物でも食べな」
借りたタオルで水気を拭い、いつものカウンター席に座った私にオーナーが小さなケーキを出してくれた。カフェ営業時のメニューの残りのようだ。
半分ほど食べた頃にはどうにか気持ちが落ち着き、やっとまっすぐ春樹さんの顔を見ることができた。
「春樹さん、ありがとうございました」
「うん。元気になったみたいで良かった」
相変わらず、どうして泣いていたのか聞いてはこない。
「おう、お帰り春樹。……と志緒ちゃん。びしょびしょだな」
今度こそ入ったSoléil&Luneの店内。
店にはオーナー一人で、確かにもう月岡さんはいない。
「さっきは驚いたぞ。春樹のやつ、志緒ちゃんがいた気がするっつって突然走って出てくんだもんな」
「すみませんでした」
「まあ良いけどな。はい、とりあえず甘い物でも食べな」
借りたタオルで水気を拭い、いつものカウンター席に座った私にオーナーが小さなケーキを出してくれた。カフェ営業時のメニューの残りのようだ。
半分ほど食べた頃にはどうにか気持ちが落ち着き、やっとまっすぐ春樹さんの顔を見ることができた。
「春樹さん、ありがとうございました」
「うん。元気になったみたいで良かった」
相変わらず、どうして泣いていたのか聞いてはこない。