彼はチョコレートの香り


靴箱までくるとローファーから上履きに履き替えた

そのとき

「おはよ一宮」

わたしの好きな声がした

「佐藤先輩!!??」

私は一気に顔を赤面させあたふたと慌てる

「そんな驚く?」

クスクスと目を細めて笑う佐藤先輩

「よかったね」

明日香がニヤつきながらそう言った

「・・・あれ?でも三年生一年生の靴箱は違うはずですよ??」

「いや、一宮が見えたから…来ただけ」

“一宮が見えたから来ただけ”
って

わたしが!?

それだけのためにきてくれたのぉ!!?




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