彼はチョコレートの香り


佐藤先輩は一回もこっちをみらず小さく頷くだけ

「私が一番最初にこのメイド服きたんですよみんなには“一宮って、こんなだっけ?”って言われてムカッとしてたんですよね」


無理矢理な笑顔

少しひきつる

そんな私をやっと見た先輩は、
「それだけ?それだけのことで呼んだの?俺、忙がしいんだけど」

冷たくいいはなった

まさか、佐藤先輩がこんなこと言うなんて思ってなかった

「・・すみません・・・それだけですわざわざ、ありがとうございます」

目線を下に向けて、涙がこぼれないようにする

「じゃぁな」

その言葉を発したとき先輩の顔が少し見えた


なんで

悲しそうなの―――――?






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