彼はチョコレートの香り
振り払ったあと、私はすぐにその場を離れられなかった
先輩から目を離せなかった
やっと先輩から目を離すことができたときには、私の腕は、ガッチリと先輩に捕まれていた
次は拒めない
先輩は私を人気の少ない階段へと連れていった
「座って」
先輩よりも一段高い階段に座った先輩は私の前にしゃがむ
「ごめんな」
先輩の悲しそうな顔
見たくない
そう思って抱き締めた
「ごめんなさい・・私、先輩に無視されたらどうしようなんて思って、腕を振り払ってしまいました」
先輩を抱きしめる腕に力がこもった