彼はチョコレートの香り


振り払ったあと、私はすぐにその場を離れられなかった

先輩から目を離せなかった

やっと先輩から目を離すことができたときには、私の腕は、ガッチリと先輩に捕まれていた

次は拒めない

先輩は私を人気の少ない階段へと連れていった

「座って」

先輩よりも一段高い階段に座った先輩は私の前にしゃがむ

「ごめんな」

先輩の悲しそうな顔
見たくない

そう思って抱き締めた

「ごめんなさい・・私、先輩に無視されたらどうしようなんて思って、腕を振り払ってしまいました」

先輩を抱きしめる腕に力がこもった






< 41 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop