彼はチョコレートの香り


屋上までの道のりがあっという間に感じた

佐藤先輩は重苦しいドアを開けた

「さみぃ~~」

肩をすくめて目を細めているそんな先輩の姿にすら顔を真っ赤にさせる

「一宮・・・話ってなに?」

そう言われて、初めて告白するんだと実感がわいた

「わたし・・・あのファミレスで先輩に会ったとき、チョコレートの香りがしたんです」

先輩は白い息を出して微かに笑った






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